宇宙の産み落とした私生児

とよかわの西洋占星術について考えるブログ。鑑定依頼は件名「鑑定依頼」でこちらへ→astrotoyokawa@gmail.com

月星座もしっくりこない場合の理由

 こんにちは、お久しぶりになってしまいました。占星術師のとよかわです。


《前提》
 西洋占星術における基礎中の基礎ですが、通俗的な「星占い」で使用される「星座」は、正確にいえば出生ホロスコープにおける「太陽サイン」(太陽の位置)です。
 太陽サインはおもに「その人が青年期以降に自己実現をめざす方向性」「ペルソナ(社会的仮面)」を示すので、パーソナリティーそのものを指すわけではありません。なので、太陽サインだけ「おひつじ座さんはせっかち、おうし座さんはのんびり屋さん」などと言われても、当たってないなと感じる人は多いでしょうし、それであたりまえです。
 そしてこれもよく言われることですが、その人の素のパーソナリティーは太陽でなく月のサインを調べることで、しっくりくる結果が出るということが非常に多いです。
 しかし月サインを調べてもやはりいまいち納得行かない、当たってないなと感じられる方もいるようです。
 この理由についてブログ記事を書いている占星術師さんを見かけましたが、私が自分なりに考えたこととはかなり異なっていたのでメモがわりに記しておきます。


《考えられる理由5つ》


1 性別、年齢


 これも基礎的な知識ではありますがまず女性の方が様々な理由で月の影響を大きく受けています。なので男性の場合は月サインの存在感がほとんど感じられない人もたくさんいます。
 また月サインがつかさどる"情操、感情"が発達するのは0歳から7歳ごろ、義務教育開始前なので、若ければ若いほど月の存在感が強いですが、年を重ねると薄れていきます。なので高齢の人にはしっくりこないかもしれません。とはいえたいていの女性は何歳になっても月サインの影響を色濃く残しています。
 女性のほうが月の影響が大きい理由はこれだけで別項を立てる必要があるほどほんとにイロイロなので略します。


2 アスペクト、ハウス


 ノー・アスペクトの月は全く存在感が無いか、あるいは過補償が働いてとてもありすぎるか、どちらかに極端に振りきれることがほとんどです。冥王星とのアスペクトも極端から極端に走る傾向がありますし、ずばり"抑圧"の意味がある土星とのアスペクトがあると素直に特性が表出しにくい。そのため潜在的にはその特性を持っているにもかかわらず「当たっていない、自分はこうじゃない」と感じがちになるでしょう。
 「幽閉」のハウスである12ハウス内にある場合もかなりの場合ストレートに月の特性を出せない状況に置かれがちです。
 このようにサインのみならず、出生時間が判明している場合はアスペクトとハウスも考慮して考える。そうしないとなかなかその人の月の働きが正確につかめないということになりがちでしょう。


3 ステレオタイプな表現


 たとえば「しし座は目立ちたがり屋。かに座は母性が強くて家庭的。」など、よく言われます。分かりやすいですが、決まりきった陳腐なクリシェでもあります。各サインの包括する意味はもっと豊かです。
 なので月サインがししやかにだからといって、「目立ちたがり屋」「家庭的」といわれてもピンとこなくて当然です。
 たとえば、獅子サインは自己表現欲求、蟹サインは同族意識で繋がったコミュニティという意味もある。人目を避けるように生きながら、いつかだれかに読んでもらうための小説を書きためている月ししもいれば、家族が一人もいないかわりに疑似家族的コミューンに身を置いて癒しを得ている月かにもいるでしょう。
 ステレオタイプな紋切り表現にとらわれないためには、色々な占い師の文や本を読んでイメージをふくらませることが大事になってきます。占星術を学ぶにおいて、言葉でなくイメージをふくらませる、イメージでとらえるということはすごく重要です。


4 社会規範による抑圧


 これもよく言われる紋切り型で例をあげます。「おひつじ座は人を引っ張るリーダーシップがある。うお座は共感性が高く人にやさしい。」
 しかし実際において、この社会では女性はきわめてリーダーに登用されにくいので、リーダーシップが発揮されない、また同じく、男性は社会で生き抜くにおいて弱い者への共感性を切り捨てなくてはいけない場面が多々あります。このような、社会規範による抑圧で月を殺して生きる人も珍しくありません。
 上記は性別差の例をあげましたが、ほかにも人種や国籍、住む地域、家族構成などさまざまな社会規範による抑圧が考えられます。
 
5 人に投影されている


 いくら上記にあげたような抑圧を受けていたところで、月のエネルギーがゼロになるわけではありません。抑圧された月のエネルギーは人生に転移し、外部委託のように他人に投影されます。自分が体現できない特質を他人にかわりに体現してもらうのです。この投影は望む望まざるに関わらず起こり、月から逃げるかぎりその人の人間関係には月の化身たる人物が出現しつづけます。
 この場合他人(特に私生活のパートナー、配偶者など)に月を預けている状態なので、本人は「これは私じゃなく、パートナーの性格ということなら、当たっているけど…」と感じるでしょう。
 この投影のメカニズムは、月以外の主要10天体についても同様です。
 一般的に月の投影は男性から女性に対してなされるものというのが定説ですが、理論上女性から男性、女性から女性にも行われてもおかしくなく、また母親から娘など家族間で行われることも珍しくはないでしょう。


《総論》
 以上5つの理由をあげてみました。
 パーソナリティーの把握には月のサインだけでなく、置かれた状況やハウス、アスペクト、ひいてはホロスコープ全体を見て考える必要があります。しかし、占星術に明るくない多くの人は突然そこまでリーディングできないと思います。出生ホロスコープ作成とその詳細鑑定をおすすめします。




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(必要な情報→生年月日。出生市区町村。もし分かれば、だいたいでもいいので出生時間。)
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 アストロとよかわ
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