悪夢から醒める夢
2日ぶんまとめてサラダを作って今日と明日で食べきる。一日に40グラムはたんぱく質を摂る。寝るときに胸がじゃまならナイトブラを買ってつける。熱っぽいなと思ったら体温計で体温を把握して対処する。
足が冷えるときは靴下をはく。
健康的な生活は私の長年の夢だったけどかなってみれば何のことはなくて、むしろ自分の心も体も、目に入るものすべて破壊しつくしていた日々を思い返すと長い長い間ずっと悪夢を見ていて、ふとした拍子にはっと目覚めたみたいで、いままでのことみんながウソのよう、まったくの他人ごとのように思える。
あの苦しかった日々はなんだったんだろう。
私がいま心と体のためにやっていることは、こんな苦しい試練から教訓を得なくても、ほとんど生まれつきみたいな感覚で多くの人が自然とやっていることだ。
なんで自分ばっかりこんな遠回りって思うけど、それが私の出生図で強調された冥王星の作用なのかもしれない。1たす1が2であるのはなぜなのか、何十年も考え込んでやっと答えが出て、先に進めるみたいな人生だなと思う。
8年も闘病して大量の時間と人間関係が崖に吸い込まれるみたいに消えていった。
せめてその回り道に何か意味があったと思わなきゃやってられない。1たす1の答えはなんなのか、自分なりに考えた思考のプロセスに意味があったと思わなければ、とてもとても。すべてが崖に吸い込まれて無になったんじゃなくて、それは今も自分の一部なんだとかなんとか言い聞かせて…。
日常のちょっとした痛みや苦しみや違和感をほっとかずに一個一個つぶしていって、くらしや人生を快適にするっていうみんなやってることが私にはできなかった。
それを、育てられ方のせいだと思ったり、性暴力を受けたせいだと思ったりしたけど、最近はもう、全部、生まれる前から決まってたことなのかなぁって思ったりしてる。
ときどき星回りによって少し落ち込むけどそれも一時的なもの、出口があるものとわかっているからあわてない。うとうとしたときに見るちょっとした白昼夢みたいなもので気がついたら現実に戻り、頭はスッキリしている。
不健康から立ち直ったこの感覚を、夢から醒めたようなものと感じているけど、たぶん私はこの先、人生でまた何度も生まれ変わって、いまの時間も、夢のなかみたいな出来事だったと思い返すようになるんだろう。蛇の脱皮のような感じで。そして脱皮すればするほど、ますます自分は自分でしかなくて、ずっと変わらないんだと、痛感するだろう。
長年、自分と世界がビニールカーテンで仕切られてるみたいな、世界から拒絶されてる気がして、ずっと孤独で孤独で仕方なかったけど、占星学や仏教思想やユング心理学を学んだら、なんかどうも、全部はひとつみたいで、目にうつるすべてのものは、みんなちょっとずつ私の要素が入ってるみたいで、孤独だと感じる必要もないと分かって、最近はあんまり寂しくない。
しいていえば、大体のことがどうでもよくなって執着心がなくなった今の状態より、生命を燃やすように激しくて、苦しかった日々のほうが、いまだと絶対感じられないような感情にふりまわされてて、それはそれで楽しかった気もするけど、憑かれてたようなものだし、今の、地に足がついてる生活にも充実感があるので、絶対に戻りたくないなと思う。戻らないと思うけど、戻ったとしても、もっと冷静に対処できると思う。
今回は、完全に独り言ですみません。
この文章を書いてる数日の間に、悪夢からハッと目が醒めるという内容の夢を見た。